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痩身薬

2025/04/05

【Vol.1】マンジャロとは?なぜ痩せるのか?― 医師が解説する「痩せ薬」の正しい使い方

「最近“マンジャロ”ってよく聞くけど、何?本当に痩せるの?」
そんな疑問に、LAVISUS clinicの院長としてお答えします。

私たちは、マンジャロを単なる“痩せ薬”ではなく、心と体を整える“医療的サポート”と捉え、診療に取り入れています。

当院におけるマンジャロ、リベルサス、カナグルの処方について

マンジャロ(チルゼパチド)、リベルサス(セマグルチド)、カナグル(カナグリフロジン)は、いずれも糖尿病治療薬として承認された医薬品です。
当院ではこれらを自由診療の一環として、医学的評価と行動支援を組み合わせたダイエット治療として提供しています。

1. 医学的評価と安全性管理

  • 詳細な問診と既往歴の確認
  • 採血による内科的リスク評価
  • InBodyによる体組成チェック
  • 医師による定期フォローアップ

使用される薬剤はいずれも、日本では糖尿病治療薬として承認済。
一方で海外では肥満症への正式適応があり、国際的な臨床試験でも有効性が確認されています。

1.5 マンジャロが「なぜ痩せる」のか?― 3つのメカニズム

① 食欲の抑制

脳の満腹中枢に働きかけ、自然と食欲を抑える作用があります。
無理な我慢ではなく「気づけば食べる量が減っていた」と感じる方が多いです。

② 胃の排出速度の遅延

胃の中に食べ物が長くとどまるため、満腹感が長時間持続します。
「すぐお腹が空いて間食してしまう…」というサイクルの断ち切りに効果的です。

③ 血糖コントロール・インスリン感受性の改善

血糖スパイク(血糖値の急上昇)を抑えることで、脂肪の蓄積を防ぎ、代謝を整える効果があります。
また、インスリンが効きやすい状態を保つことで、痩せやすい体質作りにもつながります。

【補足】マンジャロは「GLP-1+GIP」ダブル作動薬

一般的なGLP-1受容体作動薬(例:リベルサス、オゼンピックなど)は、GLP-1というホルモンだけに作用します。
これに対してマンジャロは、GLP-1に加え、GIP(胃抑制ポリペプチド)という第二のホルモンにも働きかける“ダブル作動薬”です。

このGIPは、かつては肥満に逆効果とされていましたが、近年の研究では、GLP-1と併用することでむしろ相乗効果があることがわかってきました。

実際に米国では、マンジャロが他のGLP-1製剤よりも大きな体重減少を示した臨床試験結果が報告され、2022年に肥満症への使用が正式に承認されました。

2. 運動重視の診療方針と併設ジムの意義

当院では、医療ダイエットと同時に「運動による体質改善」を重視。
院内には運動機器を備えた設備があり、医師の指導のもとリコンポジション(体組成改善)に取り組むことができます。

さらに、中目黒には系列の本格ジム
GYM by LAVISUS を展開。

“痩せるための薬”ではなく、
“筋力と代謝を守る手段としての薬”という考え方で運用しています。

3. 薬剤依存・メンタルヘルスへの配慮

精神科医として、薬剤使用に伴う心理的リスクにも十分な注意を払っています。

  • 「薬がないと痩せられない」という思考のケア
  • 無理なダイエットや自己否定への介入
  • 食事・運動・生活習慣の見直しと、必要に応じたメンタルサポート

GLP-1系薬剤は強力なツールである一方、依存や誤った使用によって心身のバランスを崩す可能性もあります。
だからこそ、医師のフォローと対話のある診療が不可欠だと考えています。

4. 適正価格と医療の質について

当院では、薬剤単体の販売は行っておらず、必ず医師の対面診察・評価・管理を経た上で処方します。

費用についても、「薬そのもの」ではなく、“安全に痩せるための医療体制”への対価と考えています。

価格をあえて抑えすぎないのは、

「薬だけ欲しい方ではなく、本気で体を変えたい方のための医療」
というフィルターとしても機能させるためです。

まとめ|「ラクして痩せる」のではなく、「本質的に整える」

マンジャロ、リベルサス、カナグル。
いずれも正しく使えば、心と体の健康を支える力を持つ医療的ツールです。

当院では、これらを「ラクして痩せるための薬」ではなく、
筋肉・代謝・習慣を整えるための手段として位置づけています。

そしてなにより、「運動こそがすべての土台」。
医療とトレーニングの両輪で、皆さまの本質的な変化をサポートしていきます。

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